車で行く四国遍路

6日目(4/7金曜)

7:20今日も雨。ビジネスホテル・上村を出発。

延光寺の手前、雨の中を歩いてくる外国人を発見。傘を持たないんだね...
ちょっと失礼、とカメラを構えていると、それに気付いた彼がこちらを覗き込んで「いいね!」サインをして、笑いながら歩いて行った。

39番赤亀山 寺山院 延光寺えんこうじ真言宗智山派(薬師如来)
高知県宿毛市平田町中山390
到着時刻: 7:32
走行距離: 1,103km
出発時刻: 8:15

延光寺は、高知最後の霊場となる。高知は修行の道場、本来であれば延光寺を訪れたお遍路さんは、大変苦労してここまで来ているだけに満足感もまたひとしおだろうが...

山門
本堂、大師堂

境内のあちこちに亀の像が置いてある。なんでも、赤亀が竜宮城から鐘を背負ってこのお寺にやってきたそうで、それにちなんで山号を赤亀山に改めたそうだ。

山門近くで境内に落ちた枯葉を掃いていた婦人に軽く挨拶したら、話し好きのようで思わぬ長話になった。

境内

婦人の話では、桜の開花が今年は2週間ほど遅れて、いつもだったらもう散っているのに今年は満開になるまでまだ6日はかかるそうだ。

それから、ここには亀の夫婦がいて、もうじきどこからか出てくる。境内にある大きな槙の木が変わった種類で、幹が捩れて伸びている。四国遍路で一番天気が荒れるのが足摺岬の先で、その時の雨風はものすごい。外人は雨が降ってもそんなに気にならないようで、シャワーだと言って平気な顔をしている。なかには歩き遍路の女性に馴れ馴れしく迫る者がいて、その女性たちが怖い目にあったという話を何度か聞かされた、などと言う。

愛媛県 ~菩提の道場~

菩提とは道であり、知であり、覚であると言う。発心して高知の道で修行し、煩悩を断ち切り、そうして不生、不滅の理を悟ってこの境地にたどり着くというのである。

愛媛県の霊場は、愛南町の40番観自在寺から四国中央市の65番三角寺までの26寺。距離にして約415km走る。

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8:50愛媛県に入り、ここは愛南町。山あいののどかな景色の中をしばらく走っていると、所々に大きな太陽光パネルが並んでいるのが見える。せっかくの景観が残念だ。

40番平城山 薬師院 観自在寺かんじざいじ真言宗大覚寺派(薬師如来)
愛媛県宇和郡愛南町御荘平城2253-1
到着時刻: 9:15
走行距離: 1,133km
出発時刻: 9:45
山門
本堂、大師堂

境内

納経所は本堂の中にある。ここでも桜の話が出たが、やはり例年になく遅いと言う。名古屋から来たと話すと、ここでは東京より遠い所だと言われた。

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宇和島市津島町(塩定付近)

海に浮かんでいるのは真珠養殖のイカダ(左)。愛媛の真珠養殖は、明治の末から大正初期に事業化され、その後の品質向上により昭和後期には三重県を上まわる生産高を記録するようになった。海に浮かんでいるのは真珠養殖の作業小屋なんだろうか。

10:44道の駅「津島やすらぎの里」で一休み。

道の駅「津島やすらぎの里」
41番稲荷山 護国院 龍光寺りゅうこうじ真言宗御室派(十一面観世音菩薩)
愛媛県宇和島市三間町大字戸雁173
到着時刻: 11:30
走行距離: 1,187km
出発時刻: 11:50

鳥居の横を左折して住宅が並ぶ細い道を少し行くと、山の麓に石段が見える。石段を上りつめると赤い鳥居があり、稲荷神社がある。龍光寺は稲荷神社の一段下にある。

前は稲荷も仏も一緒に祀られていたが、明治以降に現在の場所に移された。山門は最初に通り過ぎた鳥居である。

境内
本堂、大師堂
42番一カ山 毘盧舎那院 仏木寺ぶつもくじ真言宗御室派(大日如来)
愛媛県宇和島市三間町則1683
到着時刻: 12:00
走行距離: 1,192km
出発時刻: 12:30

龍光寺からここまで田んぼや畑が続く平らな道を走ってきた。チューリップがきれいに咲いている。

山門、山門前の道
本堂、大師堂

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次の明石寺へは新しくできた松山自動車道(四国横断自動車道)を走ると早いが、あえて旧道を行く。少し行くとまた山の中。そのうちすれ違うのがやっとの細いつづれ折りの道になる。雨でただでさえ走りにくいのに、なんでこんな苦労までしてと後悔しはじめる。

山の上の方は霧に隠れて見えない。そこに向かって走り、いいいよ霧の中に。視界50mあるかどうか。

やがてトンネルが現れ、そこに不用意に入った途端、霧で一瞬にして視界がなくなった。思わずブレーキを踏んで身構えた... が、何事もなく速度が落ち、フ~ッ

43番源光山 円手院 明石寺めいせきじ天台寺門宗(千手観世音菩薩)
愛媛県西予市宇和町明石201
到着時刻: 13:18
走行距離: 1,206km
出発時刻: 13:47

雨だから、どの霊場も参拝客が少ない。

山門
本堂、大師堂

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次の大寶寺まで78kmある。足摺岬の金剛福寺の94kmに次いで2番目の距離だ。ネットの情報によると覆面パトがよく出没するという。そのせいか、西予市内の道は流れが悪い。

15:40久万町に入る。旧道だろうか、古い民家が並び、軒先に趣向を凝らした人形が飾られている。

くままちひなまつり

くままちひなまつり
上浮穴かみうけな郡久万高原町の久万町くままち商店街で、2月下旬から2ヶ月間、店舗や民家の軒先に15,000体の人形が飾られる。

44番菅生山 大覚院 大寶寺だいほうじ真言宗豊山派(十一面観世音菩薩)
愛媛県浮穴郡久万高原町菅生1173
到着時刻: 15:50
走行距離: 1,284km
出発時刻: 16:13

山門は歩き遍路のルート上にあり、車だと見ることができない。

本堂、大師堂

山の斜面を削って敷地にしたような奥行きのない所に並んでいる。

本堂の下(手水鉢付近)

左に本堂へ上がる石段がある。

このあたり... 手水鉢の前で西洋人の若者6人が賑やかに談笑していた。

お参りを済ませて戻った時もまだ2人いて、静かに休んでいた。

これでちょうど半分、無事、44の霊場をお参りできた。真ん中なので、このお寺のことを「へそ寺」とか「中札所」とか言うそうだ。

45番海岸山 岩屋寺いわやじ 真言宗豊山派(不動明王)
愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥1468
到着時刻: 16:33
走行距離: 1,297km
出発時刻: 17:35

ここは、思わぬ試練のお寺となった。

駐車場に着くと、立て看板に『岩屋寺まで700m、20分』とある。20分もかかったら、あと5分しか残らない ...

宿泊して、明朝参拝しようか?
でも、近くに宿はあるか?
次の札所まで35kmあるから、今日ここを済ませて先に進みたい...
急いで行けば何とかなるだろう。

のようなことを考えて、結局、行くことにした。目を移すと『車上荒らし多発! 注意してください』の看板がある。冗談じゃないョと思いつつ、誰ひとりいない夕暮れ時、大急ぎで坂道を上る。

岩屋寺は、12番焼山寺と同じ標高700m。だが駐車場から本堂までの標高差は比較にならない。その険しさは車遍路で1、2番の評判だが、それを急いで上った私には間違いなく1番だ。

山門         山門を抜け、どんどん、どんどん、どんどん坂を登る

着いたのは5分前。ここは確実にと、まず納経所に入り、事情を説明し先に御朱印を頂いた。

納経所、境内

5時に鐘が鳴りだした。御朱印がもらえたのゆったりした気持ちで聞ける。まわりの景色と相まって幻想的な風情が感じられた。

本堂、大師堂

本堂の右手、岩壁に大きな窪みは、その昔、法華仙人が修行の場とした跡(仙人堂)だ。木の梯子が掛けられている。試しに登ってみたが、若い頃と違って怖かった。

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車は無事だった。
松山市内のホテルに予約を入れて、出発。しばらく打ち戻りの道を走る。

3人連れの外国人とすれ違った。先ほど44番札所で騒いでいた連中だ。それから、少し遅れて仲間のもう1人も歩いていた。

今度は日本人とすれ違ったが、この人は44番札所の手前で追い越した人だ。1本足の下駄を履いていたから覚えている。

三坂みさかから

18:07
きれいな雲海が広がる。

雲の下には松山の市街があるはずだ。

山の上では美しく見える雲海も、下って行ってその中に入ると困りものだ。50m先も見えない。

大寶寺近くまで同じ道を戻り、国道33号線を松山方面へ向かう。

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本日の宿泊
松山ニューグランドホテル (松山市二番町)
チェックイン料金走行距離
19:006,250円1,340km

今日の夕食は「炭火焼鳥 西家」。ホテルでもらった地図を見ながら繁華街のはずれまでぶらぶら歩いて、「焼鳥」の看板にひかれて入った。

初めは焼き場前の兄さんとポツポツ話しながら食べていたが、いつの間にかこの店の大将らしい男が加わって旅の話とかあれやこれやで盛り上がった。

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