車で行く四国遍路

3日目(4/4火曜)

7:25次の鶴林寺に向い、ビジネスホテル・港を出発。

朝の混雑する徳島市の街中を通り抜け、勝浦川を渡って右折し、しばらく川沿いを走る。

20番霊鷲山 宝珠院 鶴林寺かくりんじ高野山真言宗(地蔵菩薩)
徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾14
到着時刻: 8:35
走行距離: 565km
出発時刻: 9:05

鶴林寺は標高570mの鷲が尾の山の上にあり、歩き遍路では焼山寺に次ぐ難所と言われる。車も、最後のほうは車一台がやっと通れるくらいのくねくねの山道を4,5km走る。

ホテルで遠回りしたから13km余分に走った。

山門

山門の両脇には、仁王像の代りに、お寺の名前の元になった鶴の像が置かれていた。

言い伝えでは、大師がこの寺に修行で訪れた時に、杉の木の上で二羽の白鶴が小さな黄金のお地蔵さんを代るがわる抱いているのを知り、近くにあった霊木で地蔵像を彫ってその像を胎内に収め、それを本尊にして寺名を鶴林寺に改めたという。この故事にしたがって、今も鶴を御本尊を守護するために置いている。

本堂、大師堂

次の太龍寺へはロープウェイを利用する。鶴林寺を下りて突き当たり(ここまで打ち戻り)を右折し、今度は那賀川沿いを走る。この道は視界も広く気持ちよく走れる。

21番舎心山 常住院 太龍寺たいりゅうじ高野山真言宗(虚空蔵菩薩)
徳島県阿南市加茂町龍山2
到着時刻: 9:26
走行距離: 576km
出発時刻: 10:37

ロープウェイの駅はすぐ分かった。道の左側が一段と広がって、そこに大きな駐車場が見えた。これほど広い駐車場が要るのかと思うほど広い。今日はガラガラ。

奥の方にロープが山の上に向って伸びている。このロープウェイは、四国ケーブルが四国霊場で3ヶ所(雲辺寺ロープウェイ八栗ケーブル)運営する路線の内の1つだ。

太龍寺ロープウェイ
距離2,775m
高低差422m
所要時間約10分

窓口で乗車券を買う。料金は2,470円(往復)。20分毎に出るが、次の発車まで10分あった。その間、土産物の店をうろうろ。

乗客は10人ほどいた。いづれも年配の夫婦二人連れだ。

一緒に乗り込んだ係の若い女がすぐ案内を始めた。昨夜は随分冷え込みました。標高の高いあちこちの山では雪が降ったそうです。焼山寺もかなり積もりました... なるほど

ロープウェイ乗り場、車両(頂上駅)

山の上はやっぱり寒い

頂上駅の展望

頂上駅から振り返って見る。視線の先に太龍寺の奥の院がある。

本堂、大師堂

ロープウェイで再び山麓駅まで降り、平等寺へ向う。今度は高低差の少ないゆったりした道だ。

22番白水山 医王院 平等寺びょうどうじ 高野山真言宗(薬師如来)
徳島県阿南市新野町秋山177
到着時刻: 11:00
走行距離: 590km
出発時刻: 11:26
山門

何なんだったろう? 到着した時、若い男女10人ぐらいが石段の途中に並んで太極拳(たぶん)を演じていた。ビデオを撮影していた。

本堂、本堂からの眺望
大師堂、持地菩薩像

▼▼▼

さあ、徳島で残るは薬王寺一寺。

海部郡美波町(交番付近)

こんな感じの道を約20km走る。

道中、歩いている遍路さんを2人見かけた。

薬王寺の前まで来ると急に賑やかになった。そこには大きな道の駅 日和佐があって、またその建物の裏側にはJR牟岐線(阿波室戸シーサイドライン)日和佐駅がある。人が賑わうのも納得だ。

道の駅日和佐。山の麓に見えるは楼閣は薬王寺瑜祇塔ゆぎとう。反対側には日和佐城
23番医王山 無量寿院 薬王寺やくおうじ高野山真言宗(厄除薬師如来)
徳島県海部郡美波町奥河内寺前285-1
到着時刻: 12:35
走行距離: 613km
出発時刻: 13:16

雲一つなく、気温もかなり上がってきた。山門の前に大きな荷物を降ろして汗を拭きながら座っている女性がいたが、この暑さで大分へたばっているようだったので「暑いですね」とひと声かけて山門に向った。

山門

薬王寺は1200年を越える古刹ながら境内は近代的に整備されている。歩く所には石畳がきちんと敷かれている。

本堂、大師堂
桜がいい感じ

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大砂海岸・徳島県海陽町

徳島県阿南市からこの先の高知県室戸市西端までの約200kmの海岸は室戸阿南海岸国定公園

気温19℃

高知県 ~修行の道場~

高知県の霊場は、室戸市の24番最御崎寺から宿毛市の39番延光寺までの16寺、高知県に入って出るまで455kmもある長い行程だ。

次の最御崎寺までは約75kmと、四国遍路のなかで最も距離のある長丁場。しかも町と町の間隔が離れているから、歩き遍路にとってはただひたすら歩くだけという厳しさがある。つい、余計なことを考えてしまう。歩き遍路を始めた人が途中で断念するのもこの辺りかららしい。そんなそとろから高知の巡礼を「修行の道場」と言うのだろうか。

ちなみに、徳島は「発心の道場」、愛媛は高知の修行を乗り越えて悟りの境地を開く「菩提の道場」、最後の香川は一切の悩みや束縛から脱して円満・安楽の境地に達しようとする「涅槃の道場」と言う。

今まで時々歩き遍路さんを見かけてきたが、この長い区間では23人の歩き遍路さんを見かけた。うち、西洋人が7人。東洋人もいたかも知れないが見た目では分からない。大体一人歩きで、西洋人は男女二人連れが多かった。白衣姿でない人が多いが、くたびれた服で大きな荷物を背負い、ゆっくり歩いているからそれと分かる。海沿いの長い道は強い日差しを遮るものもなく、辛そうだ。

夫婦岩(室戸岬町椎名鹿岡)

海に突き出た鹿岡鼻の先にある奇岩。2つの岩がしめ縄で結ばれている。
何かぶら下がっているが、最初に見た時ギョッとした。

海岸線

気温20℃

御厨人窟みくろど明神窟しんめいくつ

空海19歳のとき「虚空蔵求聞持法こくうぞうぐもんじほうの行」を行なって悟りを開いたという伝説の聖地である。弟子の伝えによると、空海はこの洞窟で修行中に「明るく輝く明星が口の中に飛び込み、虚空蔵菩薩が辺りを照らしながらやってきて、この時悟りが開くのが観えた」とある。

御厨人窟・明神窟

海岸沿いを走る国道55号線の室戸岬灯台のすぐ手前にある。道路を挟んでそびえる岩壁の下にできた小さな洞窟だ。左が主に居住に用した御厨人窟で、右が修行を積んだ明神窟。現在は落石の危険があって立ち入り禁止になっている。

洞窟から眺めた風景

当時は空と海だけの眺めで、そこから「空海」と名のるようになったという。
今は地面が5,6m隆起してこんな風景です。

室戸岬

室戸岬の突端にある市観光協会案内所の展望台から眺めた風景。

反対の山の上に灯台があるが、木に隠れていて見えない。これから行く最御崎寺もその付近。

室戸岬

海沿いの国道から分かれて室戸スカイラインに入る。スカイラインは道幅も広く、まだ新しく走りやすいが、急な山の斜面のつづら折れの道を一気に150mほど上ることになるので、歩き遍路にとっては大変だ。

24番室戸山 明星院 最御崎寺ほつみさきじ真言宗豊山派(虚空蔵菩薩)
高知県室戸市室戸岬町4058-1
到着時刻: 15:00
走行距離: 692km
出発時刻: 15:50

スカイラインの脇にある駐車場に停め、スカイライン程ではないが結構な登り坂を200mほど歩く。前を行くお婆さんは仲間に背中を押してもらって歩いていた。

吉井勇先生 東寺歌碑(山門手前)

空海を たのみまいらす 心もて
 はるばる 土佐の国へ 来にけり

東京の歌人吉井勇が高知に移り住んでいた頃、最御崎寺を訪れ詠んだ歌。東寺ひがしでらとは最御崎寺の通称。

仁王門
本堂、大師堂
境内、多宝塔
室戸岬むろとざき灯台

室戸岬灯台は、お寺からは見えないが目と鼻の先にある。

25番宝珠山 真言院 津照寺しんしょうじ真言宗豊山派(地蔵菩薩)
高知県室戸市室津2652-イ
到着時刻: 16:05
走行距離: 699km
出発時刻: 16:35

門前は家が立て込んでいて、駐車場も用意されていない。お寺の案内では、歩いて5分ほどの室戸漁業市場の広場が利用できるという。

参道、山門

山門をくぐる。すぐ右手に大師堂がある。本堂へはその前を通り過ぎ、正面の急な石段を上る。数えてみたら125段あった。

途中の鐘楼門、本堂

上の土地も本堂も狭く、たまたま団体さんと一緒になったため、肩をぶつけないよう互いに気遣いながら、線香の煙がもうもうとする中お参りした。

明治の廃仏毀釈で廃寺になる前は25,000坪もの広さがあったそうだ。

下の大師堂(隣は庫裏・納経所)

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室津魚港

参道で津照寺とつながっている。

ちょっと早いが、今日はこれで打ち止め。予約した旅館はすぐ近くにある。

本日の宿泊
ビジネス旅館 吉松 (高知県室戸市浮津)
チェックイン料金(2食付)走行距離
17:106,900円700km

"ビジネス旅館"という名前からはちょっと想像できない古い民家風の旅館。築50年は下らないと思われるほどあちこちに傷みが出ていた。だが、年配の女主人はそんなことに頓着する様子もなくてきぱき世話をしてくれた。「昔はお遍路さんがたくさん来て街も賑わっていたが、リーマンショックあたりからめっきり少なくなって、街も寂れてしまった」と話したときは、少し寂しげだった。

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